『本気の自由研究〜2023春~』体験談③
〇Aさん(東京在住・小学4年)のお母様にきました
発表したテーマ:「サンゴの生態研究」
■参加して良かったこと
Aは、シャイで公の場所に出るのが苦手です。そのため、今回のプログラムについても最初は参考までにという感じで「こんなプログラムがあるよ」と伝えました。そしたら意外なことにすぐに「やってみたい」と言ったんです。「なんで?」って聞いたら「自分の知らないことを大学生などに聞いたりできるから」って。娘の知りたいことは、例えば「サンゴのポリプはどこまで分裂していくの?」という疑問だったりして、私や夫ではなかなか答えられません。だから、「何か新しい体験ができそう」という響きがあったんだと思います。そして、プログラムに参加したことは本当にいい経験でした。まずは、似た関心を持った同年代の子どもたちとの出会いがあったことです。自分が興味があるとっても狭い分野なんですけれども、チームミーティングでは、他のみなさんがすごく盛り上がってくれて! それが横から見ていてすごく楽しそうだなと。また、チューターとの出会いも宝物でした。「自分でやりたいことを興味持っていったら色々繋がっていくよ」と応援してくれたチューターの言葉に、「関心をもったことを突き詰めていくのは、いいことなんだ」という自己肯定を恐らく、初めてすることができたんです。さらにチューターからの「研究者などに連絡したらアドバイスいただけるかも」や「研究室など訪問できたらいいね」という助言があり、なんとAは、2~3人の方にお手紙を書いたんですね。幸い「ぜひ」と言ってくれる方がいて、研究室の訪問まで実現! たった一か月でしたが、こういったひとつひとつがAにとって全てが新しい体験になったことはいうまでもありません。さらに、参加するときには最後に発表があるなら参加したくない、とまで恐れていた発表までも。蓋をあけてみると、自らチューターとリハーサルに取り組むほど積極的に!そして、どうだった?って聞いたら「すごく楽しかった!」って。ちょっと前まではリモートミーティングはすごく苦手でひと言も話せなかったんですから。不思議ですよね。
■参加して変わったこと
色んなことに、全てに積極的に取り組むようになりました。プログラム期間中は、早く「サンゴの研究」をやりたいから、学校のことも早く終わらせる、という好循環に。そして、プログラムが終わるころには、どんどん興味の幅が広がっていったんです。例えば、「サンゴの研究」のためには、チューターから教えてもらったまだ読めない漢字が多い論文や英語のデータなどを分かるようになる必要があります。すると、こういうデータがわかるようになるには、数学の知識が必要だね、英語ももっと勉強すればよめるようになるね、などサンゴへの興味というひとつのきっかけから様々なことに繋がっていくということに娘だけでなく私も気付くことができたんです。これが、学校の勉強ももしかしたら何かに役に立つのかもしれない…ということになっていったのか、以前より意欲的に取り組むようになりました。また、チューターとの関わりは、単に「自由研究」の伴走者ということに留まりませんでした。年の近いお兄さんお姉さんから近い将来を妄想できる時間になったんです。特に2人のチューターから、「まだまだ将来については考えている途中。研究者になるのか起業するのか。色んな可能性があるから」と聞き、「研究者」にならなくても社会の問題にはいろんな関わり方があるんだ、色んな道があるんだっていう新たな発見があったんですね。
■アドバンス・ラーナーだと思ったエピソード
小さいころでいうとよく虫や昆虫と話をしたり、家の近くの公園で乗った馬の気持ちのことを考えたり、花のつぼみが開くのをみていたいといって一時間もその前に座っていたり。考えたり観察したりするのが好きなんだなっていうのは、そういう場面でよく感じました。少し大きくなって自分で調べることができるようになると、一日中分からないことがわかるまで調べ続けるようになり、とにかく「熱中」するんです。サンゴの前は亀に興味があったんですが、ウミガメの赤ちゃんが海の中でほかの生物に食べられないか心配になって、亀に手紙を書いてみたり、そのことがずっと気になって夜な夜な眠れなくなったり。けん玉にはまれば、トイレにまでけん玉をもっていったりっていうこともありました。そして熱中するとずっと思考を深く思いを巡らせるので、眠れなくなったりもします。この生き物は昔どんな形をしていたんだろう、宇宙の先のブラックホールのさらに先は何があるんだろうとか、テーマは多岐に渡ります。担任の先生にはすごく集中力がある半面、自分の思った通りにいかないとすごく悩んでいるかもしれません。すごく熱中することがある、など指摘されることが多々ありました。ただ、いま4年生になって自分の個性と少しずつ上手に向き合うことができるようになってきました。そういうAなので、今回は一か月間、自分が考えたいことだけとことん考えることができて楽しかったようです。
■Aさんからのコメント
私はEducation Beyond に参加をして、「知りたい!」と願っていたこと、自分では分からなくて行き詰まっていたことについて、今までよりもっと深く知ることができました。特に心に残っているのは、チューターの方々と一緒に研究について話し合い、一緒にたくさんの驚きや発見を共有したことです。同じ興味を持つ仲間との出会いも、私にとって宝物です。